2004年4月2日~4日に日本大学で開催された第137回 日本獣医学会学術集会で、サメ抽出脂質の抗腫瘍効果が発表されました。
要約
LM-8マウス骨肉腫高肺転移株細胞を C3h/HeN マウス背部皮下への移植前3週間、各種機能性食品を混和した飼料を給餌し、その後さらに6~7週間給餌した。一方、対照群は飼料のみを給餌した。実験1のアガリクスタケ、タモギタケ、ヤマブシタケおよびアラビノキシラン投与群(n = 6)では、対照群に比べて移植腫瘍の成長に明瞭な効果はみられなかった。実験2のサメ軟骨およびサメ抽出脂質投与群(n = 10)では、移植腫瘍および転移腫瘍の成長抑制傾向がみられ、その効果はサメ抽出脂質投与群でやや強い傾向がみられた。実験3のサメ抽出脂質投与群(n = 7)では、移植腫瘍組織内の血管数が有意に減少すると共に、実験2より明確に腫瘍成長抑制傾向がみられた。以上の結果、サメ抽出脂質は抗腫瘍効果性の新しい機能性食品として検討に値すると考えられた。